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1 ロジカルシンキングとは


1-1 具体的なシチュエーション
ロジカルシンキングとは何か?まず日常の例から考えてみよう。
百貨店のバイヤーチーム会議で、新規取引き先の候補選定が議題になった。
選定を頼まれていた社員Aが、上司に選定結果を報告する。
社員A
「私は、ヨーロッパの老舗服飾メーカーであるC社を推薦します。ポイントは3つあります。
 1点目は、品質が非常に優れていることです。
 2点目は、ブランドイメージが良いことです。
 C社の製品を扱うことで、わが社のイメージの格段に良くなることが想定されます。
 3点目は、C社の製品はわが社があまり扱っていない領域であることです。
 C社と取引きすることで、新しい顧客層を取り込めること間違いなしです」

1-2 ロジカルシンキングは技術である

ロジカルシンキングとは「物事を広く深く考え、分析し、相手にわかりやすく伝えるために、問題を構造化して考えること」である。

この場面で、社員Aはロジカルシンキングができていると言えるだろうか?

一見、3点それぞれがC社の良い点を述べており、論理的で正しい推薦理由のように思われる。しかも「ポイントは3つあります」など、きれいに筋道立っているようだが、実は全くロジカルではない。もし私が上司であれば、社員Aに対してまずこう聞くだろう。


「C社を取引きするリスクはあるのか?ないのか?」

「C社と既に取引きしている競合はいるのか?いるならどれだけの利益をあげているのか?」


と。

そもそも、社員Aが述べているのはC社の製品がいかに素敵か、ということだけである。取引き先として付き合うには、リスクや競合他社の動向、予想される利益、自社製品とのシナジーなどを知らなければならない。すなわち、社員AはC社を推すに足る根拠を挙げきれていない「モレ」のある状態なのである。広く、深く思考することが目的であるロジカルシンキングとしては、妥当ではない姿といえよう。


では、社員Aはロジカルシンキングに不向きだからロジカルに考えられなかったのだろうか?ロジカルシンキングは才能に依存し、不向きな人がそれを伸ばすことは難しい、と誤解されがちだが、そうではない。


ロジカルシンキングは才能ではなく、ある種の技術である。確かに多少の得意・不得意は見られるが、体系立てて学び実践することで、十分にカバーできる。上記の社員Aの場合でも、適切な訓練を積めば、C社と取引きするリスクや他社の動向を考えに入れられるようになる。(もともと日本人は、幼少期からロジカルに考えること・伝えることの訓練を受けていないため、ロジカルシンキングが苦手であることが多い)


ぜひ一度、ある程度の体系に沿ってロジカルシンキングを学び、ビジネスシーン・デイリーシーンに生かしていただきたいと思う。 本コラムシリーズにおいても、ロジカルシンキングの中身や日常での鍛え方を紹介していく。




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